訪問診療は、病院のように設備が整った空間ではなく、患者さまが日常生活を送っているご自宅や施設で行われます。そのため、診療を安全かつスムーズに進めるには、環境の整備がとても大切です。
当院では、初回訪問の際や診療前のご相談の段階で、ご自宅の動線やスペースの状況を確認し、診療に支障がないかを事前にチェックいたします。診療中に転倒の危険がある段差や滑りやすい場所がある場合には、ご家族と一緒に対策を検討し、必要に応じて家具の配置変更や簡単なバリアフリー対応もご提案します。
また、車いすを使用されている方やベッド上での処置が必要な方など、個々の生活環境に応じた対応も可能です。訪問診療は「生活の場で行う医療」ですので、安心して治療を受けられる環境づくりをサポートいたします。

訪問診療では、感染症への配慮も欠かせません。特に高齢の患者さまや基礎疾患をお持ちの方が多いため、感染対策には万全を期しています。
医師・看護師を含む医療スタッフは、毎回の訪問時に手指消毒、マスク・手袋の着用を徹底し、患者さまとご家族の感染リスクを最小限に抑えるよう努めています。また、使用した医療機器や備品の消毒もその都度行い、ご自宅の清潔を保ちながら診療を進めています。
インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などの感染症が流行している場合には、特に慎重な対応を行い、訪問時間の調整や、必要に応じて事前の健康確認を行うこともあります。患者さまご本人だけでなく、ご家族の健康にも配慮した安心の医療を提供いたします。

在宅での診療中に、体調が急変する可能性もゼロではありません。そのような事態にも迅速かつ的確に対応できるよう、当院では緊急対応のための準備を常に整えています。
血圧計やパルスオキシメーター（酸素濃度計測器）、救急用の注射薬や点滴器具など、必要な医療機器や医薬品を常備し、急変時にも即対応できるようにしています。また、神戸市内の提携病院との連携体制も確保しており、救急搬送が必要な場合は迅速に連絡・手配を行える体制を整えております。
患者さまやご家族が不安を感じずに治療を受けていただけるよう、訪問診療を開始する際には、緊急時の連絡方法や対応の流れについても事前にしっかりとご説明いたします。

訪問診療は医師ひとりで完結するものではなく、看護師、ケアマネージャー、訪問介護スタッフ、薬剤師、地域の介護施設職員など、さまざまな専門職が連携して成り立つ医療です。
当院では、診療後の健康状態の変化や介護面でのご相談にも迅速に対応できるよう、関係機関との連携体制を重視しています。ケアマネージャーとの情報共有はもちろん、必要に応じて訪問看護ステーションや薬局とも協力し、患者さまの状況に応じた最適なサポートを提供します。
ご家族や介護スタッフの方々が気になることがあれば、いつでもご連絡ください。チームで支える医療だからこそ、患者さまにとって安心の医療が実現できると考えています。

ご自宅での診療では、病院と違ってその場に医療スタッフが常駐しているわけではないため、患者さまやご家族が不安や疑問を抱くこともあるかと思います。
のだホームケアクリニックでは、診療の前後には必ず丁寧な説明を行い、今後の治療方針や生活上の注意点について、わかりやすくお伝えするようにしています。また、難しい医療用語もなるべくかみ砕いてご説明し、納得いただいたうえで診療を進めるよう心がけております。
「こんなことを聞いてもいいのかな」と思うような些細なことでも、遠慮なくご相談ください。私たちは、患者さまとご家族にとって「話しやすい・相談しやすい存在」でありたいと考えています。

初めて訪問診療を受けられる方にとっては、不安や戸惑いも多いかもしれません。当院では、患者さまお一人おひとりの生活環境やご希望に寄り添い、安全で快適な医療の提供を目指しています。
何かご不明な点やご相談がございましたら、どうぞお気軽に当クリニックまでご連絡ください。専門スタッフが丁寧にご対応いたします。のだホームケアクリニックは、地域の皆さまの安心と健康を支える、身近な医療パートナーとしてこれからも尽力してまいります。